信行両座(浅野祥雲)五色園

信不退と行不退を問う

信行両座(しんぎょうりょうざ)は、親鸞が門徒の弟子たちに「信不退=極楽浄土に往くために必要なのは信心」か「行不退=念仏を唱えることで極楽へ往けるという考え」を問う情景。それぞれの修行僧の表情が豊かですね。

信行両座の写真

信行両座

信行両座

信行両座

信行両座

信行両座

情景の説明(五色園より引用)

 親鸞聖人が法然上人の下、吉水の草庵に通っていたある日、法然上人に許しを得て門弟たちを信の座「信不退」と行の座「行不退」の二つの席に分け、どちらの考えでいるか明らかにしました。
「信不退」とは、弥陀の本願を信じるだけで生涯信心を失わない不退転が得られると信じることをいい、「行不退」とは本願を信じてなお、不退転を得るためには念仏の行を積まなければならないとする考え方です。
ほとんどの門弟たちは行の座に着座しましたが、高弟の信空、のちの「唯信鈔」を書いた聖覚は信の座に着きました。そしてそこに遅れてきた熊谷蓮生房が事の次第を聞き、慌てて信の座に着きました。続いて親鸞聖人も信の座に着座し、これで一同が着座してざわめきが鎮まると、法然上人もおもむろに「私も信の座に着こう。」と言って「信不退の座」に着きました。このとき行の座を選んだ門弟たちは一応に驚き、自らを恥じまた後悔しました。(出典:五色園

要約

法然の弟子であった親鸞が許可を得て弟子たちに、極楽浄土に行くためには生涯信心を失わずに、阿弥陀佛の本願を信じ念仏を唱える「信不退」だけでよいのか、信じるだけでなく、修行を積む必要「行不退」があるのかを問う場面。

多くの門徒は「行不退」であるとしたものの、弟子の中で優れたものは「信不退」を選び、さらに親鸞、法然も同様に「信不退」であるとした。それをみた弟子たちは驚き、間違っていたことを恥じるとともに後悔したということです。

※「信行両座」浄土真宗における論争で、さまざまな説明がされています。

作品の場所

五色園入り口からすぐの場所(右側)にあります。

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