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尾張四観音(荒子・甚目寺・龍泉寺・笠寺)

「尾張四観音=おわりしかんのん」は名古屋城築城(1612年)の際に、鬼門あたる4つ方角に位置する荒子観音、甚目寺観音、龍泉寺、笠寺観音を尾張の守護として、徳川家康が定めたと伝えられています。いずれも千年を超える歴史を持つ寺院です。また名古屋城からみて、その年の恵方の方角にもっとも近いお寺が恵方観音(恵方の観音様)になります。その年の厄除け・福を願う参拝者で賑わいます。
令和5年(2023年)は「笠寺観音」になります。
[目次]
荒子観音寺(あらこかんのん)
- 名古屋市中川区にある天台宗の寺院。
- 令和7年(2025年)の恵方観音になります。
概要
正式名は浄海山圓龍(円竜)院観音寺
- 宗派:天台宗
- 創建:奈良時代の天平元年(729年)
- ご本尊:聖観音=しょうかんのん
- 場所:愛知県名古屋市中川区荒子町字宮窓138
[1]ご利益(ごりやく)
厄除けや縁結び、現世利益とされています。
[2]特色・行事など
- 国内最多の1,266体の「円空仏」が保存されています。
- 境内にある「多宝塔」は天文5年(1536)に再建され、名古屋市内最古の木造建築物として、国の重要文化財に指定されています。
- 2月3日の「節分会」には豆まき祈祷が行われます。
[3]地図(Googleマップ)
交通機関で行かれる方は地下鉄「高畑駅」下車後、徒歩15分くらいです。
甚目寺観音(じもくじかんのん)
- 愛知県あま市にある「真言宗」の寺院
- 令和4年(2022年)の恵方観音になります。
概要
正式名称は鳳凰山 甚目寺です。「尾張四観音」の中では建立がもっとも古い寺院です。あま市甚目寺町の名称由来にもなっています。
- 宗派:真言宗
- 創建:飛鳥時代にあたる推古天皇5年(597年)
- 山号:鳳凰山
- 本尊:聖観音=しょうかんのん
- 場所:愛知県あま市甚目寺東門前24番地
[1]ご利益(ごりやく)
家内安全、厄除けのご利益があるとされています。また本堂には病気平癒の神様である「びんづる様」が鎮座されており、自分の体で痛いところや悪いところを棒でさすることで治癒の願いが叶うとされています。
[2]特色・行事など
- 「南大門」は国の重要文化財に指定されています。
- 1月1日〜3日に正月初祈祷会が行われます。
- 2月3日には「節分会」が行われます。(前日は前夜祭)
- 毎月12日に「甚目寺観音てづくり朝市」が開かれます。
[3]地図(Googleマップ)
交通機関で行かれる方は、名鉄津島線「甚目寺駅」下車後、徒歩5分くらいです。
龍泉寺(りゅうせんじ)
- 名古屋市守山区にある天台宗の寺院
- 令和6年(2024年)の恵方観音になります。
概要
- 宗派:天台宗
- 創建:延暦年間(782‐806年)とされ、奈良後期から平安初期とされています。
- 山号:松洞山(しょうとうざん)
- 本尊:馬頭観音=ばとうかんのん
- 場所:愛知県名古屋市守山区竜泉寺1丁目902
[1]ご利益(ごりやく)
境内の入り口に祀られている「馬頭観音像」には、厄除けや無病息災のご利益があるとされています。
[2]特色・行事など
- 所在地の地名表記は竜泉寺です。
- 「熱田の奥の院」とも呼ばれています。
- 鐘撞堂からは「庄内川」を眼下に濃尾平野を展望でき、素晴らしい眺めです。1打10円で鐘を突くことができます(2022年現在)
- 12月31日~1月6日に「修正会」が開かれます。
- 2月3日には「節分会」が行われます。(前日は前夜祭)
- ご祈祷日は月に1回(毎月第一日曜日)
- 境内には猫が多く飼われており癒されます。
[3]地図(Googleマップ)
交通機関で行かれる方は、地下鉄「大曽根駅」下車後、「ゆとりーとライン=名古屋ガイドウェイバス」を利用し「竜泉寺口」または「竜泉寺」下車が近くて便利です。
笠寺観音(かさでらかんのん)
- 名古屋市南区にある真言宗の寺院
- 令和5年(2023年)の恵方観音になります。
概要
正式名は笠覆寺(りゅうふくじ)。笠寺観音の通称で親しまれています。
- 宗派:真言宗(智山派)
- 創建:奈良時代にあたる天平5年(733年)
- 本尊:十一面観音=じゅういちめんかんのん
- 場所:愛知県名古屋市南区笠寺町上新町83番地
[1]ご利益(ごりやく)
縁結びと厄払いのご利益があるとされています。
[2]特色・行事など
- 尾張三十三観音、名古屋二十一大師や「なごや七福神」の霊場です。
- 2月3日には「節分会」が行われます。(前日は前夜祭)
- 毎月「6」のつく日は「六の市」が開かれ賑わいます。
- 毎月18日の「観音縁日」には祈祷が行われています。
[3]地図(Googleマップ)
交通機関で行かれる方は、名鉄名古屋本線「本笠寺」駅下車で徒歩5分くらいです。
天台宗と真言宗
天台宗(荒子観音と龍泉寺)
「日本仏教の母」と言われ、多くの日本仏教の源流
大乗仏教の宗派であり「妙法蓮華経=法華経」を仏典としています。源流は中国の南北朝時代から隋(ずい)にかけての僧侶である「智顗=ちぎ」(538年~598年)とされています。
日本には平安時代(9世紀)の初期に伝えられたとされ、日本の天台宗の開祖は「最澄=さいちょう」(766年または767~822年)とされています。(伝教大師ともいわれています)日本仏教の宗旨の多くは、ここから展開が始まったとされ「日本仏教の母」ともいわれています。京都と滋賀にまたがる「比叡山延暦寺」を総本山としています。
ご本尊は「阿弥陀如来」や「釈迦如来」です。
真言宗(甚目寺観音と笠寺観音)
空海(弘法大師)により開かれた日本仏教
平安時代(9世紀)の初頭に「空海=弘法大師」により開かれた、大乗仏教の宗派です。京都の「東寺(とうじ)=教王護国寺」を総本山としています。
いずれの宗派も般若心経を唱えます
身近なお経のひとつである「般若心経」は、天台宗・真言宗のいずれも唱えます。参拝の際は経典を持ち唱えると良さそうです。
恵方について
恵方とは「陰陽道」で、その年の福徳を司る神様(歳徳神=としとくじん)の在する方角です。令和5年(2023年)の恵方は「南南東のやや南」で方位角では165°です。
近年では節分の日(2月3日)に恵方に向かって「恵方巻」を食べる習慣も定着していますね。ちなみに旧暦での暦は2月4日の「立春」が始まりであり、日本の占いの多くは、この日を起点としての運勢です。恵方観音としてのお参りは、立春以降が良さそうです。
年 | 恵方(方角) | 方位角 |
2023 令和5年 | 南南東やや南 | 165° |
2024 令和6年 | 東北東やや東 | 75° |
2025 令和7年 | 南南東やや南 | 165° |