龍泉寺(名古屋)2024年の恵方観音

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龍泉寺(尾張四観音)名古屋市守山区
Ryusenji

今年の恵方観音

[目次]

馬頭観音様を祀る寺院
高台からの展望は素晴らしい

「龍泉寺」は奈良後期から平安初期にあたる延暦年間(782‐806年)に創建された天台宗の寺院。名古屋城を鎮護する尾張四観音のひとつ。「熱田の宮の奥の院」ともいわれ本尊は馬頭観音(脇侍は不動明王と毘沙門天)です。

毎年2月3日には「節分会」が開かれ、多くの人でにぎわいます。また境内には多くの猫が飼われており人気のスポットになっています。筆者もねこに会いに何度も参拝しています。

龍泉寺(名古屋市)

2024年の「恵方観音=名古屋城からみて恵方の方角で、東北東のやや東」になります。

龍泉寺の馬頭観音 龍泉寺の馬頭観音

龍泉寺の歴史

ふりがなと説明つき文字で読む[表示]
  • 松洞山(しょうとうざん)大行院龍泉寺
  • 天台宗「山門派比叡山延暦寺」末
  • 熱田の宮の奥の院として創建
  • 本尊 「馬頭観音=ばとうかんのん」
  • 脇侍(わきじ):大聖 不動明王、毘沙門天王
  • 三剣(さんけん):熱田の宮の八剣(やつるぎ)の内、三剣を埋納。

「桓武天皇=かんむてんのう」の時代(延暦年間=782年から806年まで)に「最澄=さいちょう」(伝教大師=天台宗の開祖)と「空海=くうかい」(弘法大師=真言宗の開祖)(※1)により創建された。その後、天正12年(1584年)に兵火(戦争による火災)(※2)で全焼し、慶長12年(1607年)に七堂伽藍(しちどうがらん=寺院の重要な建物のこと)を再建したが、明治39年(1906年)に再び放火により多宝塔、仁王門、鐘楼を除く全てが焼失(※3)した。

  • (※1)空海が熱田神宮に祈願に訪れたときに、龍神のお告げを受け龍の住む多々羅池のほとりでお経を唱えると、龍が天に昇ると同時に馬頭観音が出現したと伝えられており”龍泉”の名前の由来とされています。
  • (※2)小牧・長久手の戦い。羽柴(豊臣)陣営と織田・徳川陣営による「小牧山城」や「犬山城」などを中心にした戦い。徳川陣営が圧勝したものの、豊臣陣営が退却する際に放火し焼失。
  • (※3)焼跡から「慶長小判」百枚(現在の100枚の価格はおよそ400万円ほどといわれています)が見つかり、それを基金として現在の本堂等が再建されたということです。

参拝の心得

拝禮(はいれい・拝礼と同じ)し柏手(かしわで)を打ってお参りする。馬頭観音の真言は「オン・アミリ・トドハバン・ウン・バッタソワカ」

本堂

龍泉寺の本堂

本堂

下記の写真は拡大表示します。

本堂 護摩木

「護摩木(ごまき)=本尊に供えたのちに燃やす特別な薪」の初穂料は300円でした。

馬頭観音のご利益と真言

  • 無病息災
  • 厄除け
  • 動物救済

勝負ごとにも御利益があると伝えられています。受験を控えている方は合格祈願、ビジネスでは契約ごとの願いに良さそうです。

ご真言オン アミリ トドハバン ウン バッタソワカ

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龍泉寺の御朱印

龍泉寺の御朱印

納経料は300円(2024年1月現在)受付は16時頃までのようです。

境内には多くの歴史が残されています

(1)仁王像

龍泉寺の仁王像は国の重要文化財に指定(1928年)されているそうです。

龍泉寺のの仁王像

(2)多宝塔

多宝堂 龍泉寺の阿弥陀如来
多宝塔 阿弥陀如来

日中は扉が開かれていることが多く、阿弥陀如来(あみだにょらい)を拝むことができます。浄土系の宗派では「南無阿弥陀仏」と唱えることで、極楽浄土に往生できるとされ多くの人から信仰される如来の一尊です。(写真は拡大表示)

(3)鐘楼堂

鐘楼堂

昭和34年に「平和の鐘」として再建された鐘楼堂(しょうろうどう)。鐘は1打10円で打つことができます。正面の石碑には「次の私に」と刻まれています。鐘をついたあとは、新しい自分になってくださいという、願いが込められているそうです。また右側の支柱には、「あしたにはきっと幸せになる鐘」と掲げられています。尾張四観音の中で、普段日に一般の参拝者が鐘をつくことができるのは、龍泉寺のみです。

龍泉寺から望む尾張平野

鐘楼堂からは眼下に庄内川と尾張平野、遠方には養老山地や伊吹山を展望できる素晴らしい眺めです。

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(4)石仏と梵字

馬頭観音の石像 馬頭観音の梵字
境内に鎮座する
馬頭観音石仏
梵字
(御朱印に使われています)

「馬頭観音」は怒りの形相をした仏像が多く、これは人々の苦しみや諸悪を破壊するためといわれています。「不動明王」と同じように怖い表情ののため「馬頭明王」と呼ばれることもあります。また馬の神さまとしても崇めらています。古い街道沿いに石仏や石碑を見ることが多いのは、馬が荷物の運搬に欠かせなかった時代に、馬を守るためということです。

「馬頭観音」を祀っている寺院[表示]

愛知県で本尊として祀っている寺院は、名古屋市東区の「永平寺 名古屋別院(曹洞宗)」、一宮市木曽川町の「観音寺=かんのんじ」、岡崎市久後崎町の「久後山 無量寺=むりょうじ(曹洞宗)」、大府市共和町の「瑞木山 圓通寺=えんつうじ(曹洞宗)」などがあります。

(5)その他の写真

昭和の面影を残す建物も多くあります。(写真は拡大表示します)

龍泉寺 お地蔵様 本堂の瓦
晩秋の風景 龍泉寺 龍泉寺
昭和風情の残る社務所 古い電話機 昭和のでんぽう・電話の看板

右上の写真は平成の大改修(2015年)で、本堂の瓦替えを行った際に降ろされた主瓦で、約150年にわたり本堂を護ってきた記されています。また建物の佇まいや「でんわ・でんぽう」の看板は懐かしさを感じますね。

境内の2人の立像は?[表示]

篠田銀次郎氏と水野房次郎氏です。
水野房次郎と篠田銀次郎之
篠田銀次郎氏(左)と水野房次郎氏(右)は、名古屋市の畜産業界に貢献された方ということです。コンクリートの立像は浅野祥雲(五色園のコンクリート像作品で有名ですね)の作と伝えられています。

龍泉寺弁才天

龍泉寺の山門手前(正面左)には、弁才天(学問・芸術のご利益)を祀る神社もあります。名古屋で弁才天を本尊とする寺院は、「なごや七福神」のひとつ「辯天寺(港区)」が有名です。

龍泉に弁才天

ねこ寺として人気スポット

可愛い猫が飼われています。筆者も参拝するときはキャットフード、ねこチュールを持参しています。

猫寺のネコ(写真集)
猫の写真ページを表示します。

龍泉寺城と宝物館

本堂の横には「龍泉寺城」があり宝物館(入館料100円)には円空の仏像などが展示されています。また美しい日本庭園がありおすすめです。拝観できるのは日曜日(10時~15時)のみです。

龍泉寺城と宝物館

龍泉寺城と宝物館の写真>>

案内図(Googleマップ)

交通機関で行かれる方は、名古屋市営地下鉄の名城線またはJR中央線、名鉄瀬戸線の「大曽根駅」から「ゆとりーとライン」に乗り換え「竜泉寺口」で下車してすぐです。大曽根からの料金(片道)は「竜泉寺口」までが320円、一つ手前の「小幡緑地」までは250円で、ここで下車しても徒歩5分程度です。(70円節約)(2024年1月現在)

山門前に駐車場がありますが台数は限られます。初詣や節分会など混雑が予想される場合は、交通機関の利用をお勧めします。

龍泉寺の入り口
入り口から山門までは徒歩3~4分程度です。

おもな年中行事・イベント

公式サイトから出典

  • 2月3日:「節分会・星供」
  • 春彼岸の中日:「彼岸会=ひがんえ」
  •  4月8日:「日灌仏会=かんぶつえ」
  •  7月13日~17日:「孟蘭盆会=うらぼんえ」
  • 8月17日:「盆施餓鬼会=ぼんせがきえ」
  • 秋彼岸の中日:「彼岸会=ひがんえ」
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Summary in English[read]

A temple of the Tendai sect, founded in the Enryaku era (782-806) in the late Nara and early Heian periods, it is one of the four Kannon deities of Owari that guard Nagoya Castle. Also called the “inner sanctuary of Atsuta,” its principal deity is the Horse-headed Kannon. Many cats are kept in the temple grounds, making it a popular spot.In 2024, the temple is in an auspicious location.
If you are going by public transportation, take the Yutorito Line from Nagoya Municipal Subway Ohsone Station to Ryusenji-guchi Station.

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荒子観音 甚目寺観音 笠寺観音
荒子観音 甚目寺観音 笠寺観音
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