「新型コロナウイルス」の感染拡大で、医療崩壊の危機がクローズアップされています。地域ごとの感染状況や医療機関の規模、体制などによって影響に違いはあると思いますが、さまざまな意見のひとつとして参考になると思います。
地域医療を支える医師に聞いてみました
近畿地方の病院(病床数は60で、高齢化率が高い地域)に勤務する医師が感じている内容です。具体的な地域や病院、医師については伏せさせていただきます。
[目次]
- 「新型コロナ」感染拡大以降の状況
現場で従事する医師が感じていること - 医師から患者さんに伝えたいこと
感染拡大を防ぐためにお願いしたいこと
新型コロナの感染拡大以降の感想
質問形式で掲載しています。また2020年4月21日現在においては、同病院で「新型コロナウイルス」で入院している患者さんはいないそうです。
医師の休日や食事、睡眠
現状では週1回は休むことが出来ており、日常の睡眠時間も問題ない。また勤務中の食事は不規則ではあるが取れています。
医師を含む医療従事者のストレス
看護師を含め平時に比べストレスは大きくなっている。発熱外来や患者さんの診察には、感染防護服が必要であり負担が大きい。(感染防護服はいまのところ、医療用を使っている)
医療用マスクの状況
足りていない。1つのマスクを3~4日間使用しているのが現状。ガーゼなどは毎日に取り換えている。
病院でPCR検査の実施
当病院では行っていない。「新型コロナウイルス」の検査は、渡航者・接触者の指定病院で実施しているということです。
電話による処方
現状では行っていない。今後の状況次第では実施すると思う。
外来患者数の変化
今年は例年に比べインフルエンザの患者数は大きく減った。また事故などによる救急外来も減少している。
以前に「インフルエンザ」による肺炎症状の患者さんが、のちの診断で「新型コロナウイルス」にも罹患していた事例があったということです。
患者さんのクレームで多い内容
診察までの待ち時間が長いというクレームが多くなっています。
待合室は「3密」の環境になりますか
3密になる恐れがあるため、空気清浄機の設置、こまめな換気を行っている。また待合室のソファーや長イスなどには、間隔を空けるために✖印をつけるなどして、患者さんの座る間隔を空ける工夫を行っている。
患者さんから多い相談内容
味覚や嗅覚異常に関する相談が多い。これは「新型コロナウイルス」に限った症状ではないということです。
輸血用血液は大丈夫?
不足している。輸血はケガなどの救急時だけでなく、胃潰瘍の患者さん(下血時など)などにも必要となり、外出自粛による献血数の低下で、血液不足は深刻になると思われる。
看護師さんの状況
非常に多忙な状況。今後において人員が不足した場合、リタイアした看護師さんの応援も必要になると感じています。
医師から患者さんに伝えたいこと
別の病院で治療中の方は、紹介状なしの来院は避けて欲しい
紹介状がない場合、これまでの治療経過が分からず診療に影響が出るそうです。(いま治療している先生と相性が合わないという理由で、来院される方もいるそうです)
微熱の場合は、できる限り自宅で療養して欲しい
発熱した場合の体への影響は、人それぞれであり難しいところです。しかし現状では可能な限り自宅での療養を優先し、緊急性のない受診は控えてほしい。
来院予約されると助かります
初めて病院を受診される場合は、事前に電話などで予約されると、スムーズな診察もでき待ち時間も少なくなります。また医師の負担も軽減され助かります。
来院されるときは出来るだけマスクを着用
マスクの供給不足が続いており、入手が困難な状況です。しかし布マスクや手製のマスクでも飛沫感染を低減させることは可能であり、他人への感染防止という観点から、マスク着用で来院して欲しいということです。
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